ドライバー専門求人サイト「ノルワークス」が考える2024年問題。「ノルワークス」掲載企業にアンケートを行って見えてきた実情と、運送業界の未来を考える。

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2024年04月16日
働き方改革施行法により、2024年4月からドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に規制されます。
それにより労働時間が短くなり、輸送能力の不足が確実視されることで様々な問題が懸念されることを「2024年問題」と称します。

今回「ノルワークス」では、掲載中の企業様を対象に独自にアンケートを実施。
2024年問題に向けた取り組みを調査し、計166社にご回答頂きました。



施行まであと1カ月となる2024年3月現在、2024年問題に向けて「対策済」の企業様は、全体の39%という結果になりました。
「対策に向けて検討中」が14%、約半数の48%が「対策していない(内42%は対策が不要な企業様)」ことが読み取れます。
「ノルワークス」ご契約中の企業様の過半数が、現段階で対策を取っていないという結果が浮き彫りになりました。



 続いて月平均時間外労働についての調査結果を見ていきます。
4月から年間の時間外労働時間の上限が960時間(月で換算すると80時間)になるところ、現在月平均が月80時間を超える企業様が全体の3%いることがわかりました。
また現時点で月平均20時間以下に収まっている企業様は全体の30%を占めています。



対策別の月平均時間外労働時間によると、「対策済」の企業様で2%、「検討中」の企業様で13%、「対策していない」企業様で10%が月平均80時間以上の時間外労働が行われていることがわかります。


年間の時間外労働が上限960時間に制定されることにより懸念される問題

運送業界において、時間外労働に規制がかかることが良いことだと必ずしも言い切れないのが、この施策の勘案すべき点になります。国土交通省HPによるとドライバーの労働時間が制限されることで
①    1日に運ぶことができる荷物の量が削減
②    トラック事業者の売上げ・利益の減少
③    ドライバーの収入の減少
④    収入の減少による担い手不足

などの問題が懸念されています。

輸送力の不足により物流全体に遅延が生じることで経済活動にも影響をきたし、収入の減少により更なる人材不足が推測できます。
ではこれらの問題を改善・解決に向けて行う対策とは具体的にどういったことを考えていけばいいのでしょうか?
公益社団法人全日本トラック協会HPによると、トラック事業者を始めとする運送関係者のみならず、荷主企業や物流を利用する関係者も一緒になって業界全体で対策していくことが必要になります。
2023年10月には内閣が「物流革新緊急パッケージ」を閣議決定し、2024年問題の解決に向け「人材確保」や「賃金引上げ」を目指す施策を打ち出しました。
 

具体的な内容としては

を掲げ、中長期的に継続して今回の問題に立ち向かう為の枠組みを取り決めました。
これらの施策を業界全体で協力して行いながら「人材確保」をしていくことで、一人一人のドライバーの負担を軽減しながら「輸送能力の不足」に対処し、
運送業界・ドライバーの双方にとってより良い環境づくりの確立を目指す必要があります。
運送業界に関わらず物流、経済活動にまで広く影響する2024年問題は、自らの生活にも支障をきたすことになる大きな問題であり、
長期的に対処していくべき課題だと捉えることが出来ます。

以上を踏まえて今後「ノルワークス」は、運送業界に携わる一員として2024年問題に真摯に向き合い、「業界全体に広がる人材不足の解消」や「将来の運送業界を担う若年層の人材確保」を目指し、適切なサービスと、企業様に寄り添ったサポートの提供を行い、運送業界の明るい未来づくりに貢献していきます。


《参照URL》
内閣:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/buturyu_kakushin/pdf/kinkyu_package_1006.pdf
国土交通省:https://wwwtb.mlit.go.jp/tohoku/00001_00251.html
公益社団法人全日本トラック協会:https://jta.or.jp/logistics2024-lp/