トラックドライバーの労働時間が2024年から改正!何が変わる?

記事更新日:2024/01/10

原材料輸送から消費者宅の配送まで、物流の要となっているのがトラックによる運送業務です。
そのなかでもトラックドライバーは、2024年4月から労働時間が大きく変わります。
この記事ではトラックドライバーの労働時間の改正内容について解説していきます。



2024年4月からトラックドライバーの労働時間が変わる背景

2019年4月に働き方改革関連法が成立したことで労働基準法改正が行われ、労働者の残業時間に上限が設けられました。

時間外労働の上限は、原則として月45時間、年360時間となり、特別な事情があっても年720時間までとなっています。

ただし、建設業、医師、トラックドライバーは他業種に比べてもともと時間外労働が多いこともあって、5年の猶予期間が設けられていました。

その猶予期間が2023年3月いっぱいまでとなり、2024年4月以降はトラックドライバーの残業時間に上限が設けられています。

現状のトラックドライバーは拘束時間が長いこともあって、時間外労働のための対策が必須といわれています。

しかし、具体的な対策がなかなか進まない企業が数多くあるために、荷物が運べなくなる不安から「物流の2024年問題」としてさまざまなメディアで取り上げられるようになりました。

2024年4月からトラックドライバーの労働時間はどのように変わるのか?

それではトラックドライバーの時間外労働はどのように変わるのでしょうか?

2024年4月1日以降に適用されるトラックドライバーの時間外労働の上限規制は、原則月45時間、年360時間となります。

また特別な事情がある場合に限って、年間最大で960時間まで延長が可能です。

この最大960時間の時間外労働はトラックドライバーに対する特別な措置で、運送会社の事務職や運行管理者などは対象外となっています。

この時間外労働の上限は休日出勤を含まない時間となり、他業種の年間最大720時間の上限と比べると長い時間が設定されています。

しかし、公益社団法人 全日本トラック協会の「第4回 働き方改革モニタリング調査」のアンケート調査の結果としては、年960時間の時間外労働をおこなっているトラックドライバーが約27%と3割弱と上限を超えることがわかっています。

そのため、一部の運送会社では輸送量を減らすか人員を増やすなどの対応に迫られるでしょう。

これまでのトラックドライバーの時間外労働には上限がなかった?

近年では、時間外労働規制による物流業界の2024年問題が大きく取り上げられるようになりましたが、いままでのトラックドライバーにはそもそも時間外労働の上限がありませんでした。

時間外労働に変わる労働時間の基準が「拘束時間」となっており、これには労働時間だけでなく荷待ち時間や休憩時間も含まれます。

また使用者からの拘束を受けず労働から解放される「休息時間」は、勤務終了から最低でも継続して8時間は必要と定められています。

現行の拘束時間は原則1日13時間以内で上限は16時間となっており、15時間を超える拘束時間は週2回までです。

また、年間の拘束時間は3,516時間以内の範囲で、1か月の拘束時間は293時間以内とされており、労使協定により延長をおこなっても年6回まで1か月320時間までとなっています。

2024年4月からは拘束時間も変更

2024年4月からは、時間外労働だけではなく拘束時間も変更されるので、より時間管理の必要性が求められます。

具体的には2024年4月からの年間拘束時間は原則3,300時間、最大でも3,400時間まで削減されます。

1か月の拘束時間のおいても原則284時間とされており、最大でも310時間に変更されます。

1日の拘束時間は原則13時間と変わりませんが、上限は15時間、14時間を超える拘束時間は週2回までと1時間の削減に改正されました。

休息時間においても、継続して11時間以上取得することを基本として、9時間を下回らないよう改正されます。

2024年問題に違反した場合にはどうなる?

2024年4月までの拘束時間に関しては、上限の規定こそありましたが具体的な罰則はありませんでした。

しかし、2024年4月から適用される法改正では、労働基準法により定められたものとなるので、違反した場合には罰則の対象となります。

年960時間の時間外労働に違反した事業者に対して、6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金という罰則が科せられる恐れがあります。

そのため、多くの事業者は労務管理の見直しが迫られることは避けられないでしょう。

まとめ

この記事では、現状の労働時間や2024年4月から適用される時間外労働の改正法案について解説しました。

これまでの労働時間の改正とは異なり罰則規定が設けられるため、事業者も厳しい労務管理が求められます。

とくに物流業界ではトラックドライバー不足が深刻となっていますが、要因の一つに長時間労働が取り上げられています。

適正な労働時間の管理が進めば、雇用も促進され理想的な人材確保にもつながるでしょう。

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